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 鏝 絵
(こてえ) 

 鏝絵とは、左官職人が壁を塗る鏝(こて)を使って描いた漆喰の絵のことで、宇佐地方では主に土蔵の壁や戸袋に作られています。
 鏝絵は伊豆の国松崎村(現静岡県賀茂郡松崎町)に生まれた江戸末期の左官「伊豆の長八」こと入江長八によって作られたのが起源だと言われています。
 「長八」は江戸に出て狩野派の絵を学びながらデッサンの腕を磨き、これを左官の業に応用、建築材料の漆喰を、美術品の漆喰鏝絵として発展させました。
 
 宇佐地方の鏝絵

 「長八」が残した鏝絵は、緻密画とも言える作品が多いのですが、宇佐地方の鏝絵は面白みのある図柄が沢山あります。その中には恵比寿や招き猫など、縁起の良い絵柄のものも多く、単なる装飾ではなく、様々な願いを込められて作られました。
 多くの人に「心豊かな豊の国の鏝絵。春の陽光の中でもう一度じっくりと眺めてみたい・・・。」と言わせる宇佐地方の鏝絵は、別府市の写真家「藤田洋三」さんが撮りためた鏝絵の写真が「季刊銀河1982第49号」で取り上げられたことで注目を集めました。

文化出版局刊 季刊「銀河」1982第49号 から転載させて頂きました。
特集「豊の国の鏝絵」は、冒頭5ページから44ページまで、藤田洋三さんの38枚の写真と、福岡市の在住のルポライター沢渡 歩さんの記事で構成されています。
ちなみに 季刊「銀河」1982第49号は古書店でもなかなか手に入りません。
山香町=杵築市山香町、 院内町=宇佐市院内町、 耶馬渓町=中津市耶馬渓町
安心院町=宇佐市安心院町 


 「鏝絵基礎知識」は平成5年1月31日 安心院大交ホテル(現亀の井ホテル 安心院店)で開かれた「鏝絵シンポジウム 〜福招き むらの鏝絵〜」で配布された資料から転載しました。
 鏝絵に関する資料には、小学館発行の「消えゆく左官職人の技 鏝絵」 1996年 写真・文 藤田洋三
 朝日新聞社発行のアサヒグラフ 1.24 1997年 「大分鏝絵めぐり」、
 安心院町教育委員会発行の「鏝絵資料集 安心院鏝絵」、安心院町役場発行の「安心院鏝絵 探訪絵図」等があります。

 宇佐地方の鏝絵の写真(平成2年頃の早春に撮影)
   すみません! 20年以上も前の写真で、撮影月日は定かではないのです。昔の手帳を見たけど出てきません。(^_^;)

宇佐市安心院町折敷田 龍 宇佐市安心院町折敷田 三階松龍
宇佐市安心院町折敷田 虎  宇佐市安心院町折敷田 富士山 以上の4作品は同じ家にあります。グルリと鏝絵だらけです。
「富士山」は上から板が打ち付けられていましたが、運良く発見されました。
火焔龍 杵築市山香町貫井 宝船に乗る恵比寿
杵築市山香町下日指 鶴・亀・松 杵築市山香町日指 布袋和尚
宇佐市安心院町舟板 大黒 宇佐市安心院町龍王 虎
宇佐市安心院町龍王 蓮の花・家紋 寺の内部の欄間に作られています。 宇佐市安心院町折敷田 唐獅子 母屋妻壁 
宇佐市安心院町龍王 鷹 宇佐市安心院町龍王 朝顔・雷 朝顔の絵は、多くの実をつけ蔓が伸びることから子孫繁栄を願って喜ばれます。
宇佐市安心院町舟板 鯛釣り恵比寿 安心院町教育委員会発行の「安心院鏝繪」 平成9年2月
下法の椅子剃り 下法(大黒)が福禄寿の禿げ頭を散髪。ポマードもある。) この鏝絵は現在大分県立歴史博物館に展示されています。

鏝絵の原点 

静岡県賀茂郡松崎町  浄感寺内 長八記念館
http://www.chouhachi-mh.com/contents2.html

静岡県賀茂郡松崎町 伊豆の長八美術館
http://www.surugawan.net/guide/10.html

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