六郷満山


  仏の里と言われる国東半島は、宇佐八幡宮の神宮寺である弥勒寺の経済的庇護の下に、僧の山岳修行の場として開かれ、寺院の整備がなされてきましたが、12世紀の始めには、天台「六郷山」という寺院集団として独立していったと言われています。
 この国東半島は、瀬戸内海に丸く突き出た直径約30キロの円錐形をした半島で、その中央を標高721メートルの両子山と、標高617メートルの文殊山がそびえ立っており、それらの山から四方八方にのびた谷のため、長い間交通不便な「陸の孤島」と呼ばれていました。
 そのため、現在まで「仏の里」は俗化されず現在に至っています。
 奈良時代の末期から平安時代、そして鎌倉時代にかけて国東半島に花開いた仏教文化、六郷満山文化の名残が今も色濃く伝えられており、多くの山岳寺院や石仏、石塔、磨崖仏及び郷土色豊かな伝統行事が心の安らぎを与えてくれます。


六郷
  国東半島の六つの里のことで、来縄郷、伊美郷、国東郷、武蔵郷、安岐郷、田染郷を指します。


六郷山
 国東六郷の山々に点在する天台系山岳寺院とその衆徒を中心とした仏教文化圏の総称。
     12世紀の始め、比叡山無動寺の末寺となって、本山(もとやま)、中山(なかやま)、末山(すえやま)の三山体制のもと発展してきました。最盛期の平安後期には65の寺院があったと伝えられています。
 


長安寺 豊後高田市の都甲谷の最奧部に六郷山を統括した金剛山長安寺(屋山寺)があります。ここの収蔵庫には国指定重要文化財の「木造太郎天像・二童子像」と「銅板法華経」が安置されています。しかし、この長安寺の名物は、赤・白・黄色・紫と色とりどりの彼岸花を始めとした四季折々の花々と、住職が京都で修行したという精進料理です。(※伝え聞くところによると現在精進料理は無理みたい?) 寺のすぐ横まで車で行けますが、下の駐車場から歩いていかれることをお勧めします。六郷山の歴史のすばらしさを肌で感じ取ることができます。
 残念ながら今年(02)は紫の彼岸花は咲いていませんでした。坊守(ぼうもり=奥さん)さんの話では100株ほど植えており昨年は咲いたそうですが、今年は・・・とのことで、来年は頑張って手入れをしてたくさん咲かせたいとのことでした。(※紫の彼岸花どうも駄目だったらしい?)
5月の終わりから6月上旬まではシャクナゲとツツジが満開です。

彼岸花 シャクナゲ

 

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